↓飛び出た肩甲骨  

H17年1月29日
    カル
 動物病院にて

 
  このカルが、最近全く元気がなく、うずくまっている事が多くなったことを娘は気にかけていました 
  私は普段は関東に住んでいます。2〜3ヶ月に一度、子供達の様子を見に沖縄に帰省しますが、
  この時は1月21日夜から24日の朝まで那覇に滞在していました

  来沖した私に、娘はとにかくカルの様子をみて欲しいと言い、22日会いにいきました。
 
  カルはいつもの場所にうずくまっていました。なでてあげると顔をあげてうれしそうに見つめます。
  でも、やはり元気がありません。鼻水が少しでており涙目になっていたので、おそらく猫風邪を
  引いたのだろうと軽く考えていました。誰かがエサをあげている子なら、私があえて保護する
  必要もないだろう。。。と、その日はいったん引き上げました。しかし、関東に帰る前の晩(23日)
  どうしてもカルの事が気になって気になってしかたがありませんでした。
  そこでもう一度、見に行きました。

  カルは、全く同じ場所にうずくまり、ぐったりしていました。意識ははっきりしています。
  明日は朝一番で帰る日。一緒につれ帰って、うちの子にしよう・・・・そう思った私はカルを抱き
  かかえ 那覇の家に帰って一緒に夜を過ごしました。全身生ごみのようなにおいで臭かったけど
  カルはすり寄ってきて初めての家にも動じず、私のお腹の上にのって眠るほどなついてきました。
  きちんと、猫砂でおしっこもして、とてもお利口さんな可愛い子でした。

  翌24日、カルと私は飛行機で帰宅。食事もきちんと食べて、うちの先住犬猫たちをゲージの
  中からじっと見つめるなどしていたため、元気になったかな・・・・と思い始めていました。しかし
  念のため、市内の動物病院に連れて行ったところ、なんと、交通事故の形跡があったのです。


 
 
飛び出た肩甲骨は、肩の筋が切れてそのままの状態で放置され、くっついたものでした。
  さらに、レントゲンの結果から、横隔膜が破れており、内臓が肺を押しつぶしていることが
  わかりました。かなり、呼吸は苦しかったに違いありません。
  それでも、カルは、この状態で3ヶ月もがんばって生き続けてきたのです。。
   
  どんなにつらく、心細い3ヶ月だったことでしょう。にゃ〜にゃ〜鳴くその声は、必死で助けを
  求めていたかもしれません。抱きしめて・・・と言ってたかもしれません。
  でも、人間はエサはくれるけど、体の変化にまで気がついてくれなかったのです・。

  時と共に、少しづつ少しづつカルの状態は悪化していきました。

  関東に来たときには、体力の限界が近かったのかもしれません。が、このままにしておくと、
  100% 確実に死んでしまう。という獣医師の診断です。ゆっくりゆっくり死を待つか、
  手術をするか・・・・
 
  全身状態が悪いこの子に、大きな手術は危険を伴うことは予測されましたが、
  私は手術による治療方法を選びました。

  手術により、横隔膜を縫い合わせ、内臓を元の位置にもどし、肺を広げる手助けをする・
 
  25日  手術  (無事終了しました)
  27日  食事もとれるほど回復し、28か29日には自宅へ帰れるかなと思った矢先。
  28日  カルの様子は悪いほうへと変化していったのです。

   
  
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 1月29日 午前10時半。

 私の姿を見て、この小さな穴から
 必死で出ようとするカル
 だっこして欲しかったようです。
 私はすぐさま、抱き上げ、ずっと
 抱きしめてあげました。


  
H17 1月22日、那覇市の とある店の裏にうずくまるまだらの猫をみかけました。 
  ぐったりとして呼吸も荒く、表情は とてもつらそうです。肩も変形しています。

  でも、近づくと必死で顔を寄せてきて甘えてきました。自力で歩くこともできないほど
  弱っていました。その子の名はカル。カルは交通事故にあっていたのです。

  ここに、カルが必死で生きようとした記録があります。永眠するまでの短い闘病生活を
  ぜひお読みください。

                 

H17年1月24日
    カル
 関東の家にて

 
  カルはH16年11月ごろより、那覇市のある店の裏でみかけるようになりました。
  人懐っこいためか、誰かがエサをあげていたようです。
  娘も気になって学校の行き帰りに様子をみては、時々エサをあげていました。
  この頃から左の肩甲骨は上に飛び出ており、歩く姿は見ても走る姿を見かける事は
  ありませんでした。 娘は生まれつきなのかな・・・・と思っていたそうです。

  沖縄では、野良猫・外飼いの猫はかなり多く、残念なことに、迷子・交通事故・
  虐待などの危険性についてはあまり認識されていないのが現状です。
  カルは人間を全く怖がらないとても人なつっこい子でした。おそらく、
  誰かに飼われていて迷子になったか、捨てられたかのどちらかだと思われます。

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